【NTTデータ】強みは圧倒的な規模と信頼?/世界トップ5を目指し海外事業強化!

企業分析

ITサービスを専門に展開する企業の中では、NTTグループ傘下に属するNTTデータの知名度は比較的高いかと思います。

しかし元国営企業出身のNTTデータが世界シェアトップを狙っているのはあまり知られていないでしょう。

そんな「NTTデータ」の本決算が5月14日に開示されました。

今回はNTTデータの決算資料を読み解きながら企業研究していきます。


デジタル化社会だし、やっぱり儲かってるのかな?コロナの影響もほとんどないと思うし…

NTTデータってNTTが付いてるし、元々国営でしょ?やっぱり保守的で国内がメインの企業なの?

企業プロフィール

沿革

歴史
  • 1967
    日本電信電話公社データ通信本部設置

  • 1973
    「全銀システム」開始
  • 1984
    「CAFIS」サービス開始

  • 1988
    NTTデータ通信株式会社設立

    存続会社は住商情報システム株式会社

  • 1998
    株式会社NTTデータに社名変更

元々国営企業の一部門であったこともあり、「全銀システム」や、「CAFIS」等、日本の根幹にあるシステムを運営しています。

全銀システム…銀行間をオンラインでリアルタイムに繋ぐことで、振込等のデータを処理し、受取人の銀行に送信する。

CAFIS…加盟店とクレジットカード会社・金融機関を繋ぎカード決済を支える。

規模

ITサービスを専業で行う企業の中で、NTTデータは売上、時価総額ともに国内最大規模を誇ります(2020年6月現在)。

NTTデータNRICTCTISSCSK
時価総額1.8兆円1.8兆円9,000億円6,200億円5,800億円
売上高2.3兆円5,800億円4,900億円4,400億円3,900億円

平均年収と役員報酬

平均年収平均年齢
2018年度828万円38.7歳
2019年度834万円38.9歳

30後半の平均年収が400万円前半なので、かなり高めの水準と言えるでしょう。

取締役は9人で総額が3億4,700万円なので、単純に割ると1人当たり3,856万円です。

2018年度に1億円を超えたのは2020年2月に逝去された米国子会社CEOの1人で6億5,200万円でしたが、2019年度は該当者はいません。

事業内容

NTTデータの抱える6つの事業
  • 公共・社会基盤事業
  • 金融事業
  • 法人・ソリューション事業
  • 北米事業
  • EMEA(欧州、中東)・中南米事業
  • その他事業

その他の事業には、中国・APAC地域ビジネスや本社部門機能をサポートする事業等を含みます。

強みのある公共・社会基盤や金融事業だけでなく、法人・ソリューションや海外事業も売上高に偏りはほとんどなく非常にバランスのよいポートフォリオに見えます。

ただし営業利益を見ると海外事業は桁違いに小さく、利益の基盤は国内事業にあることがわかります。

30年以上連続増収の継続的な成長

2019年度の業績は売上高が4.8%上昇した一方で、純利益は約20%の大幅減少となっています。

ただし受注高が過去最高を更新していることからもわかるように、事業は好調に拡大が続いていると言えます。

この売上高や受注高の伸びは、NTTデータの抱える国内外ほぼ全ての事業に共通しており、国内外問わず多くの仕事を獲得できていることがうかがえます。

この背景にはデジタル社会の本格的な到来があり、同業であるSCSKの業績も非常に好調です。

ところがNTTデータはEMEA・中南米における事業で大きな営業損失を出し、これが主因で2019年度は純利益約20%の減少となりました。

これほど好調な業界で20%の減益は少し気になります。

ただしその内訳を見ると、海外子会社の人財育成や早期退職にかかる構造改革費用がメインであり、今後の利益率向上を目的とした一時的なもので、それほど気にする必要はないとわかります。

また新型コロナウイルスによる影響も△15億円とアフターコロナの社会でも非常に安心感があります。

長期的な推移を見ても非常に好調であり、受注高も十分にあることから来期以降も安泰でしょう。

まとめ
  • 受注高が過去最高を更新
  • EMEA・中南米エリアで構造改革に着手したことで一時的に減益

絶対的な”信頼度”で官公庁事業から海外開拓へ

NTTデータの国内シェアはトップクラスで、特に官公庁や金融機関等の高い権威性を誇る団体からの信頼が非常に高いことが特徴です。

しかしその絶対的な信頼度も日本国内だけのものでした。そこでNTTデータは飛躍的な成長を求め、全世界でITサービス事業を営む企業としてトップ5になるという目標を掲げています。

その目標を達成するために約10年の間にM&Aを繰り返し、世界各国での認知度向上を図り、売上高を大きく伸ばしてきました。

米DELLのITサービス部門を3,500億円で買収したことは象徴的であり、これらの成果として海外で売上高の半分を稼ぎ出す体制となったのです。

しかしIBMやアクセンチュアら世界トップ企業の背中はまだ遠く、今後も目標達成のため更なるM&Aと事業拡大の継続が予想されます。

また買収により売上高が急増している一方で、利益はあまり伸びていないことは少しネガティブな印象を与えます。

海外事業の成長フェーズなので当然ですが、NTTデータが目指すIBMやアクセンチュアと営業利益率を比較すると、彼らは10%以上の数字を叩き出す一方、NTTデータは数%です。

今後は各国におけるプレゼンスを高めるとともに、営業利益率を改善させて真の意味でドメスティック企業を脱却することが期待されます。

まとめ
  • 国内におけるシェアは官公庁や金融機関を中心にトップ級
  • 海外での認知度向上、グローバルトップ5を目指し積極的な買収継続
  • 海外事業の利益率は数%と低水準

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